船酔いしてしまったらどうなりますか?

乗り物酔いしがちな体質なんですが、レース用のヨットでも船酔いしますか? 練習中やレース中に船酔いしてしまったら、どうなるんですか?

誰でも船酔いします。


 船酔いをはじめとする乗り物酔いは、揺れに対する三半規管の正常な反応ですので、程度の差こそあれ、誰でも船酔いはするものだと考えてください。中には例外的に、どんなに船が揺れてもまったく船酔いしないという人もいますが、そちらの方がむしろ特異体質のようです。
 ヨット部で扱う2人乗りの小型ヨットは少しの波でも大きく揺れますので、すごく船酔いしやすい船のように思えますが、一般的にはむしろ小さな船の方が船酔いはしにくい傾向にあります。これは、乗用車よりオートバイの方が車酔いしにくいのと同じかもしれません。
 とはいえ、小さなヨットでも船酔いする人はします。写真右のようにヨットの艇体が隠れてしまうほど大きなうねりの中でセーリングしたら、初めてヨットに乗った人の多くは船酔いをしてしまうでしょう。いえ、ほとんど波がないような海面でも、初めてヨットに乗った人の中には、しっかり船酔いしてしまう人もいます。経験したことがある人はわかると思いますが、船酔いは辛いものです。吐き気や頭痛に見舞われて、何もヤル気が起こらなくなってしまいます。ひどい船酔いを経験した直後は、もう二度と船には乗りたくないと思うものですが、陸に上がるとウソのように治ってしまうのも船酔いの特徴です。


船酔いは慣れるもの。


 憶えておいて欲しいのは、船酔いは慣れるということです。体験試乗会でいきなり船酔いして吐いてしまい「自分はヨットに向いていないのではないか」と思いつつも、セーリングの魅力に惹かれつつ入部してしまった部員もいましたが、何度かセーリングを経験しただけでほとんど酔わなくなり、社会人になってからもヨットを続けているというケースもあります。
 面白いケースとしては、インターハイ優勝スキッパーという実績を引っ提げて入部してきた部員が、海が荒れた日に船酔いしてしまい、ヨットの上で吐いてしまったことがありました。彼は高校時代、湖で練習していたセーラーで、海で乗ったことはほとんどなかったそうです。
 ことほど左様に、誰だって船酔いはしますし、一方で誰だって慣れるものです。ヨット部に入れば、船酔いなんかモノともしない体質になる……とも言えますね。