村濱沙耶(2009年卒)全日本女子470 2位


フィニッシュまで順位をキープする力

今回の全日本470では、現時点での自分の実力を考え、まず男女総合成績でトップ10に入る、そして周囲のライバルたちに強い印象を与えるレースをするということを目標にしていました。
 新西宮ヨットハーバーで行われた全日本は、初日から3日間は微風~軽風、最終日のみが強風コンディションとなりました。大学ヨット部の合宿所が建ち並ぶ新西宮ということもあり、関西の学生が目立ち、全日本という雰囲気をあまり感じず、いい意味でリラックスしてのぞめました。
 初日の第1レースでは、第1下マークをトップ回航することができました。「よし!よし!キタキタ!」という気持ちでした。ところが、後ろの艇団を気にするあまりに、風向が明らかに左にシフトしていく兆候を見落とし、セオリーにのっとった取るべきコースを取らず、フィニッシュでは一気に4位にまで後退してしまいました。
「何やってんだ…」と自己嫌悪に陥りました。まだまだ自分にはフィニッシュまで首位をキープする力が足りない。そして周りのライバルたちには「こいつらが前にいるなら余裕で抜ける!」そう思われても仕方が無いレベルなんだと認識しました。

 順位がいい時でも、スキがあれば当然抜かれるし、順位が悪い時でも、周りを見渡せる場所にいれば逆転のチャンスがある。
 明治の現役学生も同じように、第1上マークですごくいい順位にいても、次のマークでは「あれ?」と思うほど順位を落としているというシーンをよく目にします。前に出た時、その順位を最後までキープするために大切なことは、まず、前に出たときに怖がらないこと、自信を持って走ることです。さらに、周りの大学に「余裕で抜ける」なんて思わせない走りをすること。つまり隙を見せないことです。それはコース取りでも、マーク回航の動作一つでも、相手に「こいつは隙がない」と思わせる走りをすることです。
 逆に順位が悪い時には、冷静になってまず海面全体を見渡せるポイントに行くことが重要です。常に抜くチャンスを見落とさないこと。普段の練習から、どのような状況でもいつも同じ走りができるようになれば、コースを考える余裕も出てくるはずです。

後悔したくないから

 大学4年間で学んだことも色々あったけれど、もっとできることがあったんじゃないかな、と今になって考えます。そうやって同じようにまた後悔したくないから、もう一度本気でヨットをやってみようと思いました。
 現役の学生諸君に言いたいことは、これほど一つの競技に一致団結してのめり込むことができる時間は、今この瞬間しかないということです。一生に一度、こんなに自由な時間をもらっている今、みんなにできることはたくさんあると思います。今いる仲間を大切にし、自分の一つ一つの2009年卒の村濱選手(左)、右はコンビを組む板倉選手行動に責任を持ち、将来自分がもっと年取った時に、今この瞬間過ごした時間を後悔しないだろうか?と常に問いかけていって欲しいと思います。そうすれば己ずと、いま自分が何をやればいいのか見えてくると思います。かくいう私自身、毎日をどう過ごすべきか、1ヶ月後どう過ごそうか、1年後の自分はどうなっていたいか、そんなことを考えています。
 春のインカレ楽しみにしています。一緒に頑張りましょう!


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