2019年 全日本インカレ 13年ぶりの総合入賞

目標だった総合入賞を果たした2019年小倉組

2019年10月31日~11月4日、兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバーで開催された「第84回全日本学生ヨット選手権大会」で、本学ヨット部が総合で6位に入賞し13年ぶりの総合入賞(470級6位、スナイプ級9位)を果たしました。前回の入賞は2006年の第71回大会の総合3位(470級2位、スナイプ級4位)で、両クラス出場も2015年以来4年ぶりという快挙でした。

2019年度の主将を務めた小倉晴太の代は1学年上の部員が1人もおらず、2018年度から2年間にわたって幹部を務めるという異例の学年となりました。2017年の秋、3年生で主将に任命された小倉は同期の部員たちと話し合った上で「2年後の最終目標を『全日本インカレ総合優勝』から『全日本インカレ総合入賞』へ変えさせて欲しい」と、吉田監督に直談判しました。明治大学体育会ヨット部では、1980年代に全日本インカレ総合準優勝を2回達成するなど、総合優勝まであと一歩に迫った時期があり、そのときに掲げた目標が「全日本インカレ総合優勝」であり、その後低迷期に入ってもその目標を降ろすことができず、単なるお題目と化した目標を掲げ続けていました。

主将を任された小倉は「これから2年間、努力を積み上げたとしても、全日本総合優勝を達成する自信がありません。達成不可能な目標を目指してチームを束ねていくことはできないので、クラブの目標を全日本総合入賞(6位以内)に変えさせてください」と吉田監督に直談判したのです。それを受けて吉田監督は「その新しい目標に向けて、本気で努力することができるのなら」という条件で、目標変更を許可しました。


とはいえ、当時の明治大学の実力からすれば、全日本インカレ総合入賞ですら大言壮語ともいえるレベルであり、小倉組にとって1年目となる2018年シーズンは関東インカレでも苦戦が続き、全日本インカレにはスナイプ級1クラスの出場となってしまいました。翌2019年を迎えても関東インカレでの順位は足踏み状態が続きましたが、秋の関東インカレでは470級7位、スナイプ級6位となんとか両クラス揃って全日本インカレにコマを進めることができ、目標への望みをなんとかつなぐことができました。

水域予選やその他のレガッタから当時の明治大学の実力を客観視するなら、総合で10位前後といったところでした。しかし、リザルトが必ずしも実力どおりにならないのがインカレというヨットレース。しかも、この年の西宮の海は例年以上に風が安定せず、最大11レースが予定されたレガッタは、わずか4レースで決着するという荒れたレガッタとなりました。チャンス到来です。緒戦からスタートダッシュを決めた明治は、470級6位、スナイプ級9位、総合6位と、二年前に自ら設定した目標をクリアする結果を残すことができました。



荒れたレガッタとなったからといって、誰もがチャンスをものにできるわけではありません。2年前、自分たちで設定した目標に対する執着心、チャンスをものにできる最低限の実力を蓄えていたこと、さらには4年生から1年生まで、選手もマネージャーも含めて全員が同じ目標を共有できていたからこそ、目の前のチャンスをものにすることができたのです。決して運だけで手にした結果ではないことは、そこにいた部員たちが一番よくわかっているはずです。


3年生以下の部員たちは、4年生とともに経験したこの大会から、的確な目標設定の大切さ、最後まで実力を伸ばすための努力を怠らないことの大切さを学んだはずです。この結果を足がかりに、決しておごることなく、不断の努力を積み上げていくことができたなら、彼らは新たな明治の歴史を築いていく栄誉を手にすることができるでしょう。

第84回 全日本学生ヨット選手権大会

明治大学 成績

470級 6位  スナイプ級 9位  総合 6位